コンセプト

 例えば植物の豊かな味を楽しみ、香りにふれ、自然がもたらす季節の色彩を目にして歩く時、心や身体が元気づけられたり、和んだりしたことはありませんか。世界各地の植物が育つ地域では、その地の人びとが飲食、療法、生活道具などに足元の植物素材を活かしながら、暮らしを支えてきました。

 今この日本でもまた「ハーブ」「アロマテラピー」「園芸」など、植物のあるライフスタイルが人気ですが、そこで手に入れられる素材のほとんどは海外由来のものが実情です。しかし近代産業が興る以前、日本の先人たちにとって、植物はもっとも身近で頼もしい存在でした。つまり日本にもオリジナルのハーブ文化があります。私たちの遺伝子に宿る、本来の健やかな心と身体、そして感性(文化)は、祖先たちを脈々と支えてきた植物からの贈り物ともいえるのです。

 身近な植物とその活用文化、尊い知恵が100年1000年先の日本人へ確かに受け継がれていくように。一般社団法人和ハーブ協会では、日本の足元の有用植物たちを「和ハーブ」と名づけ、「江戸時代以前より日本各地で広く用いられ、人びとの生活と生命を支えてきた有用植物、およびそれらの活用文化」と定義し、2009年よりその普及啓蒙に取り組んでいます。

- 人から人へ、未来へ。「和ハーブ」は私たちの足元の宝物 -

一般社団法人和ハーブ協会は、「日本の有用植物文化の継承と創生」をミッションに、健康/産業/自然環境の3領域から持続可能な社会をつくる多彩な活動を進めています。

日本各地の風土に育つ有用植物と、人びとの間で受け継がれてきた暮らしの技術や、地域ならではの文化、日本人ならではの心。そうした《宝の知恵》と本来の自然環境を次世代へ繋ぐために、「和ハーブ」を学び、新しいライフスタイルを創生し、豊かさをシェアする活動を行っています。