【“永遠の命”を持つ和ハーブ】ヒガンバナ
手塚治虫の『火の鳥』という漫画がありました。火の鳥は永遠の命を持ち、その生き血を追い求める人間たちのドラマでした。
火の鳥は壮大なファンタジーですが、日本の自然には永遠に命を持つ “火の花”が咲きます。
その和ハーブの名前は「ヒガンバナ」。

花の色から「火事花」という別名を持ち、遥か昔、イネが日本に持ち込まれた時の土に球根(鱗茎)が紛れ込んで来たと言われます。ヒガンバナは秋に花を咲かせ、葉は花が枯れた後に生い茂ってきて、なぜか陽射しが弱く他の植物が葉を枯らせる冬に光合成を行って養分を蓄えます。
そして、他の植物が新芽を出して本格的な命の活動を始める初夏に葉は枯れ地上部は跡形も無くなり、秋になると再び地下の球根から新たな花茎を地上に伸ばします。
興味深いのは、この植物の遺伝子は三倍体で、次世代の子どもを残すことはできないこと。
つまり上記のライフサイクルは、少なくとも日本に持ち込まれた遥か昔から同じ遺伝子で延々と繰り返されてきた・・すなわち2千年前と同じ個体が、今でも秋になると元気に花を咲かしていることになります。
この現代に見える“永遠の命”には、ロマンを感じざるを得ませんね。
もしかして、漫画の火の鳥のようにこの“火の花”を食べれば永遠の命を得ることができるかもしれない・・と思う人もいるかもしれません。
しかし残念ながら全草に猛毒を持ち、下手に食せば逆に“永遠に命を失う”ことになります。
同時に、永遠の命を引き継ぐ球根には大きなパワーが潜んでおり、飢饉の時は含まれる猛毒を水に晒して抜き、非常食にする文化がありました。
その名の由来はなんと、”命を永らえることができる悲願”から来ているのです。
やはり和ハーブ文化は奥が深く、面白いですよね!
都内では今、ちょうど境目の時期。お花も見れますが、花が枯れて小さな草がわさわさわさと伸びてきているのも見られるかも!

是非、探してみてくださいね!